あらすじ
結婚初夜、侯爵クライヴは新妻エルナに告げた。
「君を愛することはない」
それでもエルナは侯爵夫人として、荒れていた屋敷を整え、社交を支え、夫の評判を守り続けた。だが三年経ってもクライヴは妻の働きにも孤独にも気づかない。
白い結婚のまま迎えた三年目の冬、エルナは離縁を決意する。
妻が去った後、ランセル家の社交は少しずつ綻び、クライヴはようやく知る。自分が愛さなかった妻こそ、家の信用と温かさを支えていたのだと。
今さら恋をしたと言われても、もう遅い。
エルナは自分を粗末に扱う家を離れ、今度こそ自分を大切にしてくれる場所へ歩き出す。