あらすじ
大学生の水瀬湊人は、幼い頃から同じ夢を見続けていた。
暗い水の底。
泣き続ける白い着物の女。
そして、人々が赤黒い臓物を貪る光景。
ある日、湊人は大学の友人四人とともに、山奥の温泉旅館へ向かう。
しかし、何度道を引き返しても、車は同じ場所へ戻ってきてしまう。
辿り着いたのは、百年以上前に住民が消えたとされる廃村だった。
村へ迷い込んだ五人は、やがて自分たちの祖先が犯したおぞましい罪を知る。
かつて村人たちは、村長の娘・沙夜が愛した青年を殺害した。
そして、不老長寿の力を得られるという迷信を信じ、まだ息のある彼から生き胆を奪い、喰らったのだ。
愛する者を目の前で惨殺された沙夜は、悲しみと憎しみに心を焼かれた。
人として耐えられる限界を越えた彼女は、凄惨な出来事と村人への復讐心によって、やがて鬼へと変異していく。
村人たちを滅ぼした後も、沙夜の復讐は終わらなかった。
罪人たちの血を引く者が再び村を訪れる、その日を待ち続けていたのだ。
そして湊人には、ほかの四人とは異なる因縁があった。
彼は殺された青年の血を引く子孫であり、その魂を受け継いだ生まれ変わりだった。
百年もの間、鬼となって村に囚われ続けた沙夜。
彼女が求めるのは、罪人の末裔への復讐か。
それとも、帰ってきた恋人との永遠か。
逃げ道のない廃村で始まる、血と因縁の宴。
これは、祖先の罪を背負わされた者たちと、愛する人を奪われて鬼になった娘の物語。