あらすじ

雨の日になると交番を訪れ、「わたしは、人を殺しました」と告白する老人・矢代。 しかし、彼が語る事件は来るたびに内容が変わり、調べても実在した形跡はない。歴代の警官たちが老人の話を適当に聞き流すなか、配属されたばかりの若い警官だけは、手帳を開いて一つひとつの告白に耳を傾ける。 なぜ老人は、雨の日にだけ現れるのか。 なぜ、存在しない殺人を告白し続けるのか。 記録的な大雨の日、いつものように交番で老人を待っていた警官のもとに、彼は現れなかった。翌朝、老人の部屋で見つかった一通の手紙には、五十三年間、誰にも裁かれなかった「本当の罪」が記されていた。 法律では罰せられない罪と、裁かれることを願い続けた老人。 その長すぎる刑期に、若い警官が下す最後の判決とは――。 罪と赦し、そして誰かの話を聞くことの意味を描いた短編。

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エブリスタ2026/07/11
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