あらすじ
十七歳の秋良(あきら)は、十年前の四月に自殺した歳の離れた姉・遥(はるか)への初恋を今も引きずっていた。
六月のある日、秋良は塾の自習室で、姉と瓜二つの容姿を持つ立花瑞希(たちばなみずき)と出会う。瑞希の仕草に姉の面影を重ね、溺れていく秋良。しかし瑞希は、学校の担任教師からも「過去の教え子」の影を押し付けられ、誰かの身代わりとして見られることに深く傷ついていた。
教師の執着から瑞希を救い出した秋良は、自分もまた彼女に姉を重ねていた罪悪感に苛まれる。梅雨の激しい雨が降る公園、満開の紫陽花の前で、姉の真似をして現れた瑞希。秋良が葛藤の末に導き出した、本当に届けたかった想いとは――。