あらすじ
卒業舞踏会の夜。
王太子カイルは、公爵令嬢リディアナとの婚約を公衆の面前で破棄し、涙を浮かべる義妹ミレイユの手を取った。
誰もが、捨てられたのはリディアナだと思った。
けれど、王宮の後援、学園への支援、社交界との橋渡し――王太子の周囲で当たり前のように回っていたものは、彼女がいなくなった途端、静かに止まり始める。
選んだだけで守れない王太子。
可哀想な義妹でいれば愛されると思っていた少女。
娘を勝たせることしか考えなかった継母。
それぞれの思惑が崩れていく中、リディアナだけは取り乱さず、自分を正しく見てくれる人々と新しい道を歩み始める。
そしてついに王都は知る。
王太子が捨てたのは一人の婚約者ではなく、未来の王家そのものだったのだと――。
これは、婚約破棄された令嬢が“哀れな敗者”になるのではなく、静かに価値を証明し、王家と元婚約者へ最大級のざまあを返していく物語。
最後に捨てられるのは、はたして誰なのか。