あらすじ
舞踏帖を交換すれば、社交上の処遇も交換される——。
誰にも待たれず、名を呼ばれることもない令嬢セシリアは、社交界の華ヴィヴィアナと舞踏帖を交換し、初めて「待たれる側」になった。案内された上席の隣にいたのは、典礼監察官を務める王弟レオナール殿下。借りた記録と食い違う彼女の失敗ばかりを、なぜか殿下は覚えていく。
やがて舞い込む婚約の話。けれどこの席も、候補という扱いも、借り物の評判の上に立っている。借りたまま選ばれるか。返して、何者でもなくなるか。
借り物を脱いだ令嬢が、名前で呼ばれるまでの物語。