あらすじ
ハーピィ族の少女カスミは、主家オールドリリウム家を守る護衛部隊である飛護翼の訓練生として育った。
新たに発生したダンジョンの調査で、カスミは両親とともに未知の敵対存在と遭遇する。先行した仲間はすでに倒れ、戦いの果てにカスミはハーピィ族の誇りである翼と、両親を失った。
代々、里のハーピィはオールドリリウム家の護衛として生きてきた。カスミもまた、そのために生きるはずだった。だが翼を失ったことで、彼女の居場所も、目指してきた未来も揺らぎ始める。
ただ一人、主家の令嬢グロリオサだけは、翼の有無など関係なくカスミをそばに置きたいと願っていた。寄る辺を失ったカスミが自分のもとを去る気配を感じ取り、グロリオサは彼女自身に選ばせるため、本人に悟られないところで外堀を埋め始める。
一方のカスミは、事件以来、自分の内側にいる謎の存在と身体の変化の正体を知るため、旅へ出る。
翼も、家族も、護衛としての役目も失ったのに、なぜか少し斜め上の方向へ思い切りのいい少女カスミ。
彼女を手放せず、その才能をすべて「カスミが自分で戻ってくる場所」を作るために使うグロリオサ。
これは、二人が自分自身と互いの居場所を取り戻していく、湿度高めのダーク寄りファンタジー。