あらすじ
「琥珀ごときに固執する女など、伯爵家に相応しくない」
夜会の中央で、婚約者リカルドから突きつけられた婚約破棄。彼の隣で嗤うのは、偽物の魔宝石を身につけた男爵令嬢。
だが、彼らは知らない。地味な鑑定士と侮った女――シャルロッテこそが、王国随一の『鑑定』ギフトを持つ令嬢であり、伯爵家の財を陰から支えてきた存在であることを。
前世は日本の宝石鑑定士。過労で命を落とした彼女が二度目の生で刻んだ信念は、ただひとつ。
『正しく評価されない場所には、留まらない』
シャルロッテは静かに告げる。「鑑定契約も、本日限りで辞めさせていただきます」――と。
彼女が胸に抱くのは、『ユーリ』の名が刻まれた蜂蜜色の琥珀。その名に導かれるように向かった冒険者ギルドで出会ったのは、冷酷と恐れられながら、こっそり蜂蜜飴を握りしめる竜人のギルドマスターだった。
捨てられた宝石の、本当の価値を知らないのは誰か。
ざまぁと再会、そして芽吹く新たな絆。転生鑑定士が紡ぐ、蜂蜜色に輝く再生の物語。
※短編・ざまぁ要素あり。心温まる後日談付き。