あらすじ

王子は夜会の場で、婚約者である令嬢を断罪した。 「真実の愛を選ぶ」と告げ、 「不貞の疑いがある」と責め、 新たに隣へ立たせたのは、か弱く涙ぐむ聖女候補。 会場の視線は、一斉に令嬢へ向いた。 けれど、その婚約破棄は、まだ成立していない。 王宮婚約調停局・上席調停官エレナ・ヴァルクレアは、静かに契約書を開く。 愛が冷めたことは、罪ではない。 真実の愛を選ぶことも、自由である。 だが、婚約契約、贈与品、護衛費、席次、名誉補償、弁明機会。 そのすべてを踏みにじったなら、話は別だ。 エレナは怒らない。 泣かない。 愛を裁かない。 ただ、契約違反だけを記録する。 「婚約破棄の宣言は確認しました。では、損害額を算定します」 公開断罪された令嬢の尊厳を取り戻すため、 王宮調停官が、契約書に朱を入れる。 これは、愛ではなく手続きで、理不尽を裁く物語。

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カクヨム
カクヨム2026/07/12
  • 現在の作品『その婚約破棄、慰謝料が発生します。』 ――王宮調停官は愛を裁かず、契約違反だけを記録する