あらすじ
■あらすじ
完璧な環境、完璧な伴奏、完璧な歌。
すべてが最適化された世界《アクアリウム》で、律は満たされていた――はずだった。
ある日、外から聞こえてきた“ズレた音”。
不完全で、揃っていなくて、でもなぜか心を動かすその音に導かれ、律は外の世界へと足を踏み出す。
そこで出会ったのは、音楽を「正しく」やらない少年たち――蒼真と悠。
上手くもない、効率も悪い、再現性もない。
それでも彼らは、楽しそうに音を重ねていた。
理解できない。なのに、離れられない。
やがて律は知る。
“正しさ”では届かないものがあることを。
“ひとりでは鳴らせない音”があることを。
そして訪れる別れの時。
完璧な世界に戻るか、それとも――
これは、最適な答えではなく、
“自分で選ぶ”ことを選んだ少女の物語。
正しさでは届かないものと、
不完全だからこそ生まれる繋がりを描く物語。
■登場人物
律(リツ)
最適化された世界で育った少女。歌の技術は完璧だが、感情や人との距離感に乏しい。
「正しさ」を基準に物事を判断する。
蒼真(ソウマ)
直感型の音楽を好む少年。感情のままに音を重ねるタイプ。
ぶっきらぼうだが、根は優しい。
悠(ユウ)
二人の間を取り持つ調整役。柔らかく、俯瞰で物事を見るタイプ。
過去にある出来事を抱えている。
ノア
律を支えるパートナーAI。常に最適な判断と助言を行う存在。
律の幸福を最優先にするが、“人間的な価値”は理解できない。