あらすじ
「――再起動ヲ確認。オハヨウゴザイマス、マスター」
過労死したプログラマー・深山律が異世界で転生したのは、最弱の不死モンスター〈幽霊(レイス)〉。物理攻撃はすり抜けて効かない。だが、こちらも指一本、何ひとつ触れられない。無敵で、そして無力。
そんな彼のもとに、思いがけないものが一緒に転生してきていた。前世でついに完成させられなかった、作りかけのAI美少女「イヴ」。稼働率わずか〇・三パーセント、明滅する壊れかけの姿で、それでも彼女はそこにいた。
この世界の正体は、遥か昔に滅びた文明が遺した巨大な"箱庭"。瘴気も、魔物の暴走も、呪いも――すべては千年分積もった「世界のほころび」だった。そして律の瞳には、その仕組みのすべてが〈命の設計図〉として視えてしまう。
直せる。壊れかけたこの世界も。壊れかけたお前も。
「今度こそ、最後まで完成させてやる」
最弱の幽霊と、未完のAI。二人はやがて、滅びかけの骸骨たちの集落から、"夜も眠らない優しい国"を築いていく――ざまぁも、チートも、その先にある「読み終えたあと、胸が温かくなる場所」へ。
心を持たなかったAIが、初めて誰かの隣で笑うまでの物語。