あらすじ
人類発祥のオリエント世界。シュメール文明の都市国家ウンマを舞台に、王宮料理人の娘ニンリリが「市場で働く人たちにも温かい料理を食べてほしい」と考え、移動式の台所〈風台〉を作り上げていく物語です。
主人公は、王宮料理人の娘ニンリリ。王や神官のためではなく、市場で働く人たちにも温かい料理を食べてもらいたい――そんな思いから、彼女は移動式の台所〈風台〉を作ろうとします。
とはいえ、古代の市場で勝手に火を使い、料理を売ることは簡単ではありません。火の管理、食材の調達、物々交換の方法、神殿からの許可。陶工や木工職人、青銅細工師たちの力を借りながら、ニンリリは少しずつ風台を形にしていきます。
最初のメニューは、大麦の香草焼きパンと、豆とナツメのスープ。
派手な戦いや大事件ではなく、小さな火と一杯の料理から、新しい商いと居場所が生まれていく物語です。
古代シュメールの暮らしや神殿と市場の関係を交えつつ、温かく読めるグルメ連作を目指しました。