あらすじ
迷宮を攻略した英雄の名は、歴史に残る。
だが、その英雄たちを幾度となく生還させてきた一人の男の名を知る者は少ない。
彼の名は、オルダス・グレイ。
かつて冒険者だった彼は、今は駆け出しの冒険者たちに同行する「道守」として、迷宮への道を案内し、荷を背負い、危険を見極めることを生業としている。
腰にあるのは一本の小刀だけ。
豪華な武具も、英雄の称号も持たない。
それでも、ギルドは知っている。
「初めて迷宮へ向かうなら、彼に頼め。」
その言葉が意味するものを、若き冒険者たちはまだ知らない。
これは、英雄の物語ではない。
英雄を生かし、未来へ送り出し続けた、名もなき道守の物語である。