あらすじ
旅行先で突然のゲリラ豪雨に見舞われた会社員・信司は、古びたバス停へと駆け込む。そこで再会したのは、高校卒業以来十二年ぶりとなる親友・晴臣だった。
懐かしい会話の裏で、互いの薬指に光る指輪や、家族からの電話が、信司の胸に封じ込めていた記憶を静かに呼び覚ましていく。
言えなかった言葉。忘れようとしても忘れられなかった想い。
降り続く雨に閉じ込められた小さなバス停で、止まっていた時間がゆっくりと動き始める。
夕立がつないだ再会が、十二年前に置き去りにした「伝えられなかった気持ち」と向き合うひとときを描く、ひと夏の物語。