あらすじ

県立西高・旧校舎の遺失物保管庫。傘四十七本を筆頭に、持ち主の現れない落し物が三百十二件眠っている。 くじ引きで係を押し付けられた新入生・早瀬凪は、駅裏の買取販売店の娘。物の擦れや剥がし跡から来歴を読む「値付けの目」の持ち主で、信条は「止まった物は場所の泥棒」。規定の三条目「公示より二週間、申し出なき物品は処分してよい」を盾に、二週間後にこの部屋を空にすると宣言する。 ところが公示の翌日、花柄の弁当箱が一件だけ棚から消えた。台帳には見知らぬ筆跡で「持ち主返却済」の一行。だが日付は偽物で、規定が求める受取の署名もない。 名乗り出れば返るのに、名乗れない持ち主とは誰なのか。物を読む新米係と、人ばかり覚えている前任の先輩・戸倉忍が、規定と事情のあいだで落とし所を探す。

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小説を読もう2026/07/11
  • 現在の作品落し物は嘘をつかない