あらすじ
理不尽の、上の理不尽。
生まれた国で幸福が決まるのなら——この国ほど、過酷な国はない。
ザイデルン帝国。命が軽く、記録が現実に勝つ国。
名もなき「添え子」として生まれたザーラは、一度見たものを忘れない目を買われ、皇帝直属の戦略室で十年、他国を滅ぼす「戦略」を書かされてきた。
だが西方工作の失敗の責任を着せられ、公開処刑されることに。
——処刑台の上で、彼女は静かに嗤う。
戦略の第一条。死んだ女は、疑われない。
自分の処刑を自分で設計して生還した彼女は、覆面の書き手として自分の後釜に座り、今度は帝国そのものを解体する戦略を書き始める。
共犯者は、処刑人の仮面をかぶった「死んだはずの皇子」。六年前、彼女が生涯にたった一度の慈悲で生かした男だった。
私が生かした人に、生かされた。
ならばこの命の使い道は、もう決まっている。
知略ざまぁ×溺愛。全60話+エピローグで完結予定。
※『敵国に嫁いだ長女は振り返らない』と同一世界のスピンオフです。単体でもお読みいただけます。