あらすじ

一振りのボロボロな長剣が宿す、誰も知らない英雄たちの物語。 王宮の地下室で働く孤独な編纂者・フィーネが出会ったのは、名もなき一本の量産品の長剣だった。 魔王を打倒した勇者が使ったとされる剣。 遺物に宿る記憶を読み解く『遺物追影』の力を持つ彼女がその剣に触れた瞬間、薄暗い地下室は一転し、世界を救うために旅をした「4人の英雄たち」の鮮烈な記憶が流れ込んでくる。 最強の剛腕を持ちながらも剣の孤独に飢えていた戦士・ガルド。 膨大な魔力を操る力を持ちながら、時間の孤独に悩むエルフの魔術師・セリア。 圧倒的な治癒の天才でありながら、異端として地下に幽閉されていた僧侶・ルーク。 ―――そして誰も知らない黒髪の勇者・エルツ エルツには、ガルドのような怪力も、セリアのような大魔法も、ルークのような奇跡の力もない。ただ、どんな過酷な死線であっても一歩も引かずに前へと進み続ける「勇敢な心」と、泥をすすってでも「大切な人の元へ生きて帰る」という泥臭いまでのひたむきな覚悟があった。 昼は太陽の下で息を呑むような大迫力の総力戦を繰り広げ、夜は焚き火の灯火を挟んで互いの出会いや不器用な優しさをポツポツと語り合う4人。彼らが紡ぐ本物の絆に、フィーネはただ純粋に「彼らの歩んだ行動の続きを見てみたい」と、胸を熱くしてペンを走らせる。 しかし、記憶を紐解き、王宮の正史と照らし合わせるうちに、フィーネはある「不可解な空白」に突き当たる。 失われた歴史のなかで、確かに熱く息づいていた名もなき勇者たちの冒険譚。 一字の妥協もなく紡がれる、泥臭くて、優しくて、圧倒的に愛おしい王道冒険ファンタジー。

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カクヨム
カクヨム2026/07/11
  • 現在の作品勇者が残した物語