あらすじ
王立学院の舞踏会で、第二王子アルベルトから婚約破棄を告げられた侯爵令嬢リディア。
新たな寵愛を受ける伯爵令嬢セシリアを虐げた罪を着せられ、誰にも信じてもらえないまま、亡き母の形見まで幼馴染のカイルに踏み砕かれてしまう。
すべてを失った夜、リディアの前に現れたのは、顔を隠した謎の男だった。
彼は何も語らず、壊された髪飾りや教科書を、不格好ながらも一つずつ直してくれる。
リディアはいつしか、夜だけ現れる彼を“妖精さん”と呼び、心を寄せていく。
けれど、その正体は――昼間、セシリアの側に立ち、リディアを傷つけ続ける幼馴染カイルだった。
彼はなぜ、正気のまま彼女を虐げるのか。
学院中を狂わせる“魅了”の正体とは。
そして、守るために傷つけたという理由で、罪は許されるのか。
壊した人と、直した人は同じだった。
これは、許していない相手を、それでも愛してしまった侯爵令嬢が、自分の感情も人生も誰にも決めさせないために戦う物語。