あらすじ
誰にでもあるはずの耳鳴り。
二十代の会社員・水野響は、日常生活に支障をきたすレベルの耳鳴りだけが耐えられなかった。
病院を転々としても「異常なし」と告げられ続けた末、彼女は世界初の「耳鳴りを完全に消す治療」を受けることを決意する。
手術は成功した。
生まれて初めて訪れた静寂に、響は人生を取り戻したと喜ぶ。
しかし、その日を境に、誰もいないはずの場所から囁き声が聞こえ始める。
囁きは次第に大きくなり、耳鳴り以上に彼女を蝕む。
「やっと、聞こえるようになった」
彼らは響にそう囁く。
耳鳴りは、本当に病気だったのか。
静寂の先で響が知る真実は、人類が決して失ってはならなかった“ある防衛本能”だった。
これは、「耳鳴りのない人間」となってしまった一人の女性が辿る、戦慄のホラー。