あらすじ
39年間、何も成し遂げず、逃げ続けた男――卑野劣呉。
働かず、努力せず、人と関わらず。
自宅という安全地帯から一歩も出ない彼は、ある日、台風の日に自室へ落下してきたトラクターによって人生を終える。
しかし、死後に待っていたのは地獄でも天国でもなかった。
「あなたには勇者として異世界を救ってもらいます」
突然告げられた転生の使命。
だが、神は知らなかった。
この男が持っている才能を。
努力?
友情?
正々堂々?
そんなものは弱者の理想論だ。
勝つためなら奇襲する。
勝つためなら騙す。
勝つためなら泥をすすってでも生き残る。
彼が極めていたのは、英雄の力ではない。
どんな状況でも生き残るための、最低最悪の技術。
スキル《生存術》。
卑怯で、卑劣で、どうしようもない男は異世界で何を成し遂げるのか。
「勝った奴が正義だろ?」
これは、最も勇者らしくない男が、最も生き残る物語。