あらすじ

誰も消してくれないSNSの火事を金で消し、火をつけた側に返す。それが俺の裏の商売だ。  表の俺は、一次ソースと裏取りだけで書く匿名インフルエンサー【要出典】。誤報ゼロが看板の、しがないPV稼ぎ。だが本当の顔は、燃やされた者の間でだけ囁かれる通り名——消防士。  俺には【火見】がある。どの投稿が火元で、どこへ延焼し、誰が二日後に燃えるか、画面の向こうの火が視える。ただし視えるだけだ。消すのも、燃やすのも、俺の手と言葉でやる。  かつて俺自身が、冤罪で燃やされた側だった。だから知っている。警察は動かない。会社は切り捨てる。週刊誌は火に薪をくべて部数に換える。  今夜も一通、DMが届く。差出人は、週刊誌のでっち上げ記事で燃えている俳優。報酬は前金、値段は火力で決まる。掟はひとつ——依頼人が嘘をつけば、降りる。  これは、冤罪の火を消し、火をつけた奴に「正確な事実」だけを返して燃やし尽くす、そういう商売の話です。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/07/11
  • 現在の作品炎上の火元が視える匿名インフルエンサー、冤罪の火消しをしたらなぜか仕掛けた側が燃えだした