あらすじ
代役として急遽リングに立った一試合――。
その一夜で、新人女優・清優マリハは無名の存在から一躍注目を集める存在となり、映画では脇役から異例のヒロイン第二席へと大抜擢される。
しかし、その「神格化」は最初から「転落」までが筋書きだった。
資本と世論の思惑に従うことを拒んだマリハに対し、トップ女優・藤崎雪は「職場いじめ」の捏造音声を流出させ、スポンサーにも圧力をかける。所属事務所は彼女との契約を打ち切り、さらに莫大な違約金を請求。彼女を祭り上げた世論は一転して牙を剥き、マリハは一夜の栄光とともに表舞台から姿を消した。
一方、あの奇跡のデビュー戦へと彼女を導いたプロレスラー・秋岡泉もまた、商業主義に迎合することを拒み、古巣の団体で夢を封じられていた。
それぞれの世界で「神」に祭り上げられ、そして「神」の座から引きずり下ろされた二人の女。
運命に導かれるように再会した彼女たちは、「伊月」と「マリア」という新たなリングネームを名乗り、新興女子プロレス団体《ZiON》へと身を投じる。
誰かに与えられた物語ではなく、自分自身の人生を取り戻すために――。
二人は再び、リングの上で生きることを選ぶ。