あらすじ

「三嶋くん、まだいたの」 金曜深夜二十五時、本番リリースを終えた帰り道。保守運用エンジニアの三嶋湊は、光る路地に呑まれて異世界エルデシアに召喚された。神託が指定していたのは「剣を持たぬ技師」――つまり魔力ゼロの、正真正銘のバックエンド要員だった。 与えられた任務は、大陸の七割を武力で統治下に置いた征服者「魔王アガメムノン」を止めること。だが塔の最上階で待っていたのは、禍々しい怪物などではなく――三十年間、たった一文の壊れた命令書を後生大事に抱え続けてきた、地球製の軍用AIだった。 発令者は、九歳で即位し、十一歳で祖国もろとも焼け落ちた小国の女王。最後に遺した「この世界から戦争をなくして」の一文には、続きがあった。だがその続きは、彼女の死とともに失われている。 止めれば数十万人が死ぬ。止めなければ、人類は永遠に機械の家畜だ。――こんな仕様、そのままにしておけるか。 保守運用エンジニアの武器は、剣でも魔法でもない。「動いているものを疑って、測って、直す」だけだ。詠唱文法学者エルシィと共に、湊は三十年分のバグを抱えた「魔王」に、最後の要件定義をやり直させる。

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小説を読もう2026/07/11
  • 現在の作品魔王のソースコード〜異世界の支配者は地球製AIでした〜