あらすじ
日本で史上最悪の連続殺人犯として名を馳せた男、坂砂忌引(さかすな きびき)。
十代で初めて人を殺して以来、殺人そのものに快感を覚え、卓越した頭脳と戦闘技術で警察を翻弄し続けた。そして三十六歳、ついに逮捕され、死刑判決を受ける。
――だが、彼の物語はそこで終わらなかった。
目を覚ますと、そこは剣と魔法が存在する異世界。
しかも、美しいエルフの少女『リリア・ルミエール』として転生していた。
優しい家族、穏やかな村、長い寿命。
誰もが幸せな人生を歩むはずだった。
しかし、中身は人を殺すことだけを生きがいとしてきた怪物のまま。
魔法を極め、知識を蓄え、策略を巡らせ、ゆっくりと世界を知っていく。
この世界には、自分より強い者が数多く存在する。
だからこそ、正面からは戦わない。
観察し、考え、準備し、確実に仕留める。
これは、世界に災厄と呼ばれる一人の怪物が生まれ、やがて歴史にその名を刻むまでの物語。
――異世界に、新たな災厄が静かに産声を上げる。