あらすじ

四月半ば。文学部三年の森下葵は、教務課前の古い掲示板を貼り替える短期アルバイトをしている。 再履修者向け説明を探す学生。消えかけた映画研究会の新歓ポスターを貼り直す学生。奨学金と学費延納の掲示を見比べる学生。そして、転職のために卒業証明書を取りに戻ってきた卒業生。 掲示板の前には、それぞれの事情を抱えた人が立ち止まる。けれど紙に書かれているのは、対象者、提出期限、受付場所だけだった。 他人が何かを決めるための紙を貼りながら、葵自身もまた、教職課程を続けるかどうか決められずにいる。 貼られる紙と、剥がされる紙。間に合う人と、間に合わない人。選んだことと、選ばなかったこと。 大学の片隅にある掲示板を舞台に、名も知らない人々の一日を描く短編。

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カクヨム
カクヨム2026/07/11
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