あらすじ

六月の終わり。  梅雨の雨が空を覆い続ける中、僕――宇井蒼空は一人で天文部の終わりを迎えようとしていた。  かつては何人もの部員が星を追いかけた天文部も、今では部員は彼一人。卒業すれば廃部になることが決まっており、蒼空は部活動を続けるためではなく、残された記録や機材を整理するために学校へ通っていた。  そんなある日、教育実習生として一人の女性がやってくる。 ――星名宇宙。  誰もが振り返るほど美しい容姿を持ちながら、授業では声が小さく、緊張で進行を間違え、生徒たちから心配されるほど不器用な実習生だった。  彼女は、人には見せない秘密を抱えていて⋯⋯⋯。  誰にも見上げられなくなった空の下で、一人で星を記録していた少年と、自分自身を見失いかけていた少女。  終わりが決まった天文部で、二人の短い時間が始まる。  これは、あの日見上げた、透明な宇宙《ソラ》の記憶。 そんな、ひと夏“前”の青春譚

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カクヨム2026/07/11
  • 現在の作品あの日透明だった宇宙《ソラ》