あらすじ
父親の仕事の都合に付き合わされ続け、全国を転校をしまくった主人公・萕(なずな)は、高校進学にあたり、ある条件付きで『高校三年間はこの街に下宿していい』という、ごく当たり前な権利を無視した許可を貰う。
それは、下宿先のお隣さんである百合川家に住む幼女・彩子(あやこ)ちゃんに毎日晩ご飯を作り届ける事。
何の縁もゆかりもない幼女に、晩ご飯を作り届けるという厄介な仕事なのに、その先には見返りもなければ達成感も期待できないという、目も当てられない条件だ。
更に厄介なのは、彩子ちゃんの生態だった。家の外では模範的な園児を演じてるのに、家に帰ると自室に引きこもり、萕の作る夕食が届くのを待つ。
百歩譲って、夕飯を届けるのはいいが、彩子ちゃんの部屋へと続く階段には多種多少かつ夢のような罠の数々が仕掛けられている。
両親を事故で亡くした彩子ちゃんを引き取ったハナビシさんは、「彩子は萕に懐いているから、夕ご飯は萕の作ったご飯しか食べない」という意味の分からない説明をするばかりで埒があかない。
そもそも本当に彩子ちゃんが萕に懐いているのなら、なぜ、綾子ちゃんは萕に罠という手段で自分を歓迎してくれるのか、そして罠を抜けた後はなぜ上機嫌で萕の作った料理を食べるのか。
萕の父親もハナビシさんも、何かしら自分に隠している事がある、という事だけは馬鹿でも分かるが、萕はその真相を掴めないまま、今日も今日とて彩子ちゃんいご飯を作る。
情緒と理性をどこかに置いてきた、イカれた面々の謎を解き明かしながら、萕のサバイバル染みた生活は無慈悲に進む。