あらすじ

1988年、夏休み最後の日。 小学六年生の佐伯ユウタは、幼なじみのミナが明日東京へ引っ越すことを、受け入れられずにいた。秘密基地は取り壊される。来年からは中学生。今のままでは、もういられない。 「明日なんか来なければいいのに」 その夜、町内放送から聞いたことのない声が流れる。 ——こちら、八月三十二日。まだ起きている子は、ラジオをつけてください。 翌朝、9月1日は来なかった。 新聞の日付は「8月32日」。大人たちは昨日と同じ一日を繰り返し、町の外へ向かう道は、必ず同じ場所へ戻ってくる。異変に気づいているのは、子どもたちだけ。 やがて古いラジカセから、10年前に失踪した子どもたちの声が聞こえはじめる。夕暮れの通りには、盆踊りの音頭とともに、提灯を下げた「何か」の行列が。 彼らはどこへ消えたのか。なぜ町は事件を忘れたのか。 そして——終わらない夏を終わらせるには、何を手放さなければならないのか。 これは、9月1日を取り戻すために、少年少女たちが町の隠した秘密と、自分自身の「終わってほしくない」という願いに挑む物語。

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小説を読もう2026/07/10
  • 現在の作品八月三十二日のラジオ 〜夏休みが終わらない町で、十年前に消えた子どもたちの声が聞こえる〜