あらすじ
人類のために作られた人型コンパニオンロボット試作品26号「ロボ」は、最高管理者の娘・三日月の遊び相手として生まれた。
言語を学び、感情を学び、恋を学び、三日月の「家族」としてロボは穏やかな日々を過ごしていた。
やがて彼女は成長し、恋を知り、結婚を選び―――事故で亡くなった。
管理者を失い、一度は完全停止したロボのシステムは、新たな管理者により再起動された。
「私、ロボの事絶対に幸せにする。だから、結婚を前提に付き合って!」
元管理者の忘れ形見である、一人娘の望。彼女が新たな管理者となり、ある日彼女からロボは求婚される。
『ロボットは人類のために生まれた道具である』
初期設定を覆さないため、管理者から向けられる想いを“正しく”受け入れることが存在意義だったロボ。
その内部で、処理できない感情が静かに積み上がっていく。
――これは、人類のために生まれたロボットが、最後まで“人間になれなかった”物語。