あらすじ
「あなたのためですわ」
幼い頃からそう言って助言をくれた親友・エミリアを、侯爵令嬢リシェルは誰よりも信じていた。
「努力しすぎる女性は嫌われますわ」
「殿方は追わせるものですわ」
「王太子殿下は赤がお好きですわ」
その言葉を信じるたびに、首席も評価も婚約者との距離も、なぜか親友のものになっていく。
それでもリシェルは疑わなかった。
――図書館で、あの言葉を聞くまでは。
「あの方はわたくしより幸せになってしまう。それだけは耐えられませんもの」
十年間信じ続けた親友は、善意を装って人生を奪う”偽りの味方”だった。
もう誰かの助言だけを信じるのはやめる。
自分で考え、自分で選び、自分の幸せを取り戻すために。
一方、思い通りにならなくなった親友は焦り、ついには卒業舞踏会で主人公を陥れようとするが――。
「もう助言はいりませんので、お引き取りください」
善意を盾に他人の人生を支配してきた令嬢へ送る、痛快ざまぁファンタジー。