あらすじ

「お前の砂糖菓子など不要だ」 縁結びの儀式、その荘厳な壇上で。王太子アルベルトは民衆の前で、そう言い放った。「愛のない儀式など、時代遅れだろう?」と勝ち誇る彼の隣には、男爵令嬢ミレーユ。けれど——聖女セレナにしか視えない『縁の糸』は、二人の間に一本も渡っていなかった。 前世は報われず過労で倒れたパティシエ。転生して得たのは『糖化魔法』のスキルと、製菓知識。その二つを掛け合わせて焼く砂糖菓子だけが、この国の縁結びの加護を宿す。加護なき婚姻は、縁が濁り、数年で不和・破談へ——それは神託レベルの事実。だがそれを「迷信」と切り捨てたのは、王太子自身だった。 セレナは喚きも泣きもしない。ただ静かに菓子を箱にしまい、こう告げる。「菓子は、嘘をつきませんので。いずれ、それだけが真実になります」 聖女も、この国も辞めさせていただきます。菓子の型さえあれば、どこでだって焼ける。 神殿の外で待っていたのは、以前から縁結び菓子を熱望していた隣国ヴェルンの馬車。そして降りてきたのは、銀灰色の髪に紫紺の瞳を持つ、氷像のような美貌の青年——。 唯一の担い手が去ったこの国の、全ての結婚は果たしてどうなるのか。そして、亡命先で新しく焼き上がる菓子に視える金色の糸の予兆とは。 報われなかった前世の自分へ。今度こそ、自分の居場所で、自分の菓子を焼く。 【短編・ざまぁあり・完結】

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小説を読もう2026/07/10
  • 現在の作品縁結びの聖女なのに「お前の菓子など不要だ」と婚約破棄されたので、砂糖菓子ごと隣国へ亡命します〜転生した私の縁結びが無いと、この国の全ての結婚が破談するのですが?〜【短編・ざまぁあり・完結】