あらすじ
突然の婚約破棄から一週間。
カリスマ鬼上司こと王子ハルジオンは、煙にまみれながら串焼きを焼いていた。
聡明な王女ナナリエを手放した喪失感から、すっかり腑抜けになり、火加減しか見なくなった王子。
そんな彼に、主人公アンリはなぜか毎日餌付けされている。
(私、何やってるんだろう?)
ナナリエ不在の穴を、それぞれ別の形で抱えたまま、妙な距離感で過ごすアンリとハルジオン。
けれど、二人は決定的に噛み合わない。
そんな日々の先で、ハルジオンはアンリに裁判所の審理を受けるよう命じる。
「わ、私を裁判にかけるって言うんですか!?」
「違う!裁判じゃない!審理だ!」
「魔女裁判ってやつですか……!」
「お前は何をわけのわからないことを言っている!」
身寄りのない十四歳の少女に憑依し、異世界で暮らすことになった、二十七歳の文化人類学者アンリ。
国中を歩き回り、ものに残された記憶から〈魔女〉と呼ばれる少女の心の成長をたどりながら、自分にしかできない仕事を探していく。
老若男女さまざまな人々と出逢い、ふたつの太陽が照らす王国カレンダエをフィールドワークする、異世界文化観察記・第二部。
※第二部からでもお読みいただける構成となっております。