あらすじ
駅前のロータリーでうずくまっていた少女は、チーマーの女・イブキに声をかけられる。家にも居場所にも戻れない少女を、イブキは「拾った」とは言わず、ただ煙草を分け、席をひとつ空けて仲間たちの中へ迎え入れる。
乱暴で、雑で、けれど妙にあたたかい彼女たちとの時間の中で、少女は少しずつ自分の傷と向き合っていく。血のつながりではなく、正しさでもなく、ただ隣にいてくれる誰かによって、人はもう一度生き直せるのか。
『席をひとつ残して』は、夜の街で出会った少女とイブキたちが、不器用なやさしさを寄せ合いながら、失った家族の代わりではない「居場所」を見つけていく物語。