あらすじ
「僕、胸の大きい子が好きなんだ」
十歳のグレアナは、幼馴染のエイデンにそう言われて振られた。
それから十数年。
エイデンは勇者になり、グレアナは王都屈指の高級バー『黒のレディ』の店主になった。
下戸のエイデンが近寄れないように酒場を開いたはずなのに、彼は失恋するたびに店へ逃げ込んでくる。
「慰めてよ。いつもの定食で」
「当店には定食というメニューはございません」
胸好きで、下戸で、泣き虫で、最低なことばかり言う勇者。
怒りながらも、なぜか彼のために料理を作ってしまうグレアナ。
彼が本当に探している相手は、どうやら本人が思っている場所にはいないらしい。
今夜も『黒のレディ』のカウンターでは、失恋と定食と、面倒くさい恋心が並べられる。