あらすじ
高校二年生の秋月瞬は、雨の日の帰り道、近道にしている神社で一人の少女と出会う。指先から血を流していた少女に絆創膏を貼ると、彼女は「責任、取ってくれる?」と悪戯っぽく笑い、そのまま姿を消した。
翌日、その少女――天河透花は転校生として瞬のクラスに現れる。
どこか世間知らずで、それでいて普通の高校生活の一つひとつを宝物のように見つめる透花。焼きそばパンを巡る昼休みの騒ぎにも目を輝かせ、「慣れるの、もったいないね」と微笑む彼女に、瞬は少しずつ惹かれていく。
しかし、その日常の裏では不可解な出来事が続いていた。
書道の授業で見せた高校生とは思えない筆遣い。視聴覚室で英語のリスニング中にだけ起こる異変。そして透花が口にした、「誰かを探していた気がする」という曖昧な記憶。
音響を専門とする高梨汐音と、民俗学者の高梨涼真が調査を進めるうちに、神社に残された古い言葉と、透花の過去が少しずつ結びつき始める。
あの日、神社で交わした「責任、取ってくれる?」という言葉の本当の意味とは何だったのか。
雨の日の出会いから始まる、少し不思議で切ない学園青春ファンタジー。