あらすじ
王立学院の卒業舞踏会。
王都中へ中継される記録水晶の前で、公爵令嬢オルテンシア・ヴァルモンは、王太子から毒殺未遂、聖女への嫌がらせ、横領、不敬――数々の罪を突き付けられ、「悪役令嬢」として公開断罪された。
誰もが彼女を糾弾する中、一人だけ違和感を覚えた青年がいた。
下級宮廷記録士レオン・クラウス。
彼には、物や場所に残った記録を編集前の姿で再生できる希少魔法《真実再生(ログリプレイ)》があった。
映し出された証拠には、不自然な継ぎ目がある。
あれは真実ではない。
そう訴えたレオンは、式典妨害の罪を着せられ、記録局を追放されてしまう。
一方、婚約破棄されたオルテンシアは涙ひとつ見せず、「その婚約、こちらこそ不要ですわ」と言い放ち、王都を去る。
しかし彼女は、去り際にレオンだけへ静かに告げた。
「あなたは気付いたのでしょう。あの記録が偽物だったと」
彼女が差し出した一冊の帳簿には、王家を揺るがす軍費横流しの証拠が記されていた。
「わたくし一人の冤罪より、この国そのものが腐っていますの」
切り抜かれた証拠。
作られた悪役。
そして消された真実。
追放された記録士と、悪役令嬢に仕立て上げられた公爵令嬢は、《真実再生》によって"未編集の真実"を次々と公開し、冤罪に苦しむ人々を救いながら、王都を覆う巨大な陰謀へ挑んでいく。
これは、誰にも編集できない"真実"で世界をひっくり返す、逆転ざまぁファンタジー。