あらすじ
死を望む“吸血姫” × 優しい人になりたい大学生
秋葉原デート × 難病医療 × ボーイミーツガール
「どうか、わたしを死なせてください」
オンラインゲームのオフ会で出会ったのは、純白の髪と真紅の瞳を持つ少女・阪羽 衣亜(さかばね いあ)。
アルビノと再生不良性貧血を抱え、地下病棟で暮らす彼女は、自らを“吸血姫(バケモノ)”と呼び、生きることを諦めていた。
そんな彼女に手を差し伸べたのは、ギルドマスターを務める大学生・宮家 月(みやけ るな)。
「俺はアルビノ、めっちゃ可愛いと思います」
少しズレていて、少しお人好しで、だけど誰よりも優しい彼に連れ出され、衣亜は初めて秋葉原の街を歩く。
メイド喫茶も、ゲームセンターも、路地裏の専門店も。
無数の“好き”が集まる街で、衣亜は少しずつ笑顔を取り戻し、生きる楽しさを知っていく。
だが、ようやく見つけた日常は突然崩れ去る。
容体の急変。
訪れる残酷な現実。
それでもルナは諦めなかった。
「だってこれは、俺の──」
これは、死を望んでいた少女が「生きたい」と願うまでの物語。
そして、ただ優しいだけだった青年が、誰かの未来を背負う覚悟を知る物語。
── 以下、電撃小説大賞用あらすじ ──
教育学部で教師を目指す大学生・宮家 月(みやけ るな)は、誰かの役に立てる優しい人になりたいと願いながらも、自分の無力さに悩んでいた。
オンラインゲームのオフ会をきっかけに、アルビノと再生不良性貧血を抱える少女・阪羽 衣亜(さかばね いあ)と出会う。純白の髪と真紅の瞳を持つ彼女は地下病棟で暮らしており、自らを「吸血鬼(バケモノ)」と呼び、「わたしを死なせてください」と語るほど生きることを諦めていた。
ルナはそんな衣亜を秋葉原へ連れ出すことにした。メイド喫茶やゲームセンター、路地裏の専門店など、無数の「好き」が集まる街を共に歩く中で、アイは少しずつ笑顔を取り戻し、生きる楽しさを知っていく。
一方のルナもまた、大学の友人やオンラインゲームの仲間たちとの交流を通じて成長していく。しかし、行きつけのメイド喫茶の閉店を経験したことで、どれほど大切なものでも失われてしまう現実を知り、自分の優しさが本当に誰かを救えるのか疑問を抱くようになる。変わり続ける世界の中で、自分は何を残せるのか。その答えを探す中で、彼は骨髄バンクへのドナー登録を決意する。
やがて衣亜は、念願だったギルドのオフ会に参加するが、参加者の心ない言葉によって精神的な衝撃を受け、容体が急変する。彼女が生き延びるためには骨髄移植が必要だったが、適合するドナーは容易には見つからない。
無力感に打ちのめされるルナだったが、以前に登録していた骨髄バンクを通じ、自身が適合ドナーであることを知る。彼は優しい人だから助けるのではなく、自分自身の意志と責任として提供を決断する。その決断は衣亜にも「生きたい」という願いを取り戻させ、移植は成功する。
死を望んでいた少女は生きたいという願いを取り戻し、優しさの意味を探していた青年は、自らの意志で誰かの未来を支える覚悟を知る。二人は再び、無数の「好き」が集まる秋葉原の街へと歩き出すのだった。