あらすじ
港町を見下ろす静かな高級住宅街で暮らす西国由香は、気が強く、口も悪いが、誰よりも情に厚いおばあちゃん。親友の智恵や孫の遥と平和に暮らしていた——はずだった。
玄関を開けたら「ただいま」と自分の家に帰って来たかのようにいう総理大臣がいて、おばあちゃんは「こんな時間にうちにくるのはあんただけだよ」と迎え入れて、「よし、うちで保護するよ」ってなに?「孝ちゃん、から揚げ食べる?」と大量のから揚げを出す智恵。えっ、智恵さん、その量おかしいから!待って、誰か説明して!……胃が痛い」
総理誘拐?愛人発覚?次々に問題続発にどうするのよ、おばあちゃん!?
美しい港を見下ろす高級住宅街は平和だったはずなのに、総理の不在は思わぬ方向へ発展していくが――
事件に関わる人たちはどこか抜けていて、どこか優しい。
「ただいま」
「おかえり」
港を見下ろす高級住宅街は今日も騒がしい。
総理も、おばあちゃんも、秘書も、刑事も、みんな少しずつ不器用だ。
それでも「おかえり」と迎えてくれる家がある。
これは、港町で起きた小さな事件と、帰る場所を見つけた人たちの、優しくて少し笑える物語。