あらすじ
夜、とあるマンションの一室。ふと目を覚ました男は、下腹部の奥をじわりと押されるような尿意に顔をしかめ、ゆっくりと上体を起こした。寝室は薄暗く、カーテンの隙間から差し込む街灯の淡い光だけが家具の輪郭をぼんやり浮かび上がらせていた。
男はベッドから降りると明かりをつけずに廊下へ出た。用を足したらまたすぐにベッドに戻って眠るつもりだった。片手を壁に添え、眠気を引きずりながら、ゆっくりと歩き始めた。
そのときだった。指先にざらりとした感触が走った。
たしか、前にも……。
男は足を止め、その箇所を指先でそっとなぞった。やはりだ。他と感触が違う。