あらすじ
春告祭の夜、公爵令嬢シェルディア・アーヴェントは、王太子エドヴァルトから婚約破棄を告げられる。
罪状は、聖女リリアベルへの毒花、襲撃、中傷、そして王家への反逆。
広間の誰もが、嫉妬に狂った悪役令嬢が落ちる瞬間を待っていた。
けれどシェルディアは静かに笑い、侍女に黒檀の箱を開かせる。
そこに納められていたのは、彼女が生き延びるために殺してきた、五人の乙女の名だった。
完璧に笑う自分。
血を望む自分。
誇りを捨てない自分。
嘘を飲み込む自分。
ただ眠りたい自分。
用意された罪を、彼女はひとつずつ証拠で返していく。
これは悪役令嬢の断罪ではない。
彼女を悪役に仕立てた者たちの、終わりの夜である。