あらすじ
七夕を間近に控えたある晩、祓士カナタは飲み屋で一人の男の話を耳にする。
男には、七年間続いている秘密の逢瀬があった。
毎月七日、七時。
待ち合わせ場所は、街を流れる川に架かる「かささぎ橋」。
七年前の七夕の夜に出会った美しい女は、歳月を経ても変わらぬ姿で男を待ち続けていた。
仕事を失い、家庭は崩壊し、すべてを失っていく男。
それでも毎月七日の逢瀬だけが、男に残された唯一の希望だった。
そして迎える、七年目の七月七日七時。
七年間降り続いた雨が止み、夜空に天の川が現れる。
織姫と彦星のために翼を重ね、天の川に橋を懸けるというカササギたち。
しかし、その夜。
カササギたちが七年の歳月をかけて懸けようとしていたのは、恋人たちを結ぶための橋ではなかった。
七夕伝説をモチーフに描く、妖しくも哀しい復讐怪異譚。
『越久の渡祓士』外伝。