あらすじ
法医解剖医の母を『吸血殺人』で亡くした中学二年生、板谷圭人。
幼い頃から母の異常な価値観に育てられた彼は、人の心臓や内臓の匂いを感じ取るという、誰にも言えない秘密を抱えていた。
そんなある日、クラスに転校してきた少女、片山アリス。
彼女の心臓から漂うのは、今まで誰からも感じたことのない、冷たい雨の匂いだった。
その香りに惹かれるたび、アリスを殺して心臓を手に入れたいという衝動に襲われる圭人。
一方で、連続する『吸血殺人』には奇妙な共通点があった。被害者は皆、C型肝炎やHIVなどの感染者。そして、圭人の父にもC型肝炎が見つかる。
事件の真相を追ううち、圭人は母が隠していた秘密、そしてアリスの正体に辿り着く。
恋か、捕食か。
二人が出会ったとき、『吸血殺人』の真実が静かに動き始める。