あらすじ
鈴音 小太郎(すずね こたろう)通称猫さんは、猫探しの依頼を専門に請け負う気楽な探偵だ。しかし、ひょんなことから大財閥の令嬢、並木 花奈(なみき はな)に専門外の人探しを頼まれる。
捜索対象は片瀬 恭介(かたせ きょうすけ)、8年前に引っ越をしたきり、行方が分からない花奈の幼馴染だ。花奈が恭介を探していた理由は、自身の母親で余命幾許も無い女社長の並木 雅(なみき みやび)と、親子で親交のあった恭介を合わせるためだった。
猫さんと花奈は、雅と恭介を合わせる事に成功したが、その帰りに建築用の足場板が落ちて来る。それは明らかに花奈か恭介を狙ったものだった。犯人は過去に花奈をストーキングしていた大畑 健斗(おおはた けんと)だと思われていたが、健斗はその日の昼に亡くなっていたと判明する。
そして未だ犯人が明らかになっていない、2ヶ月前に恭介の父親が殺された事件。訪れる雅との別れ――。
次々と不幸に襲われる2人の周りには、怪しい人物が多い。
雅の妹、並木 唯(なみき ゆい)。彼女は雅の遺産を狙っているらしく、雅の1人娘の花奈を邪魔に思っているだろう。
花奈の従兄弟で研修医の並木 大吾(なみき だいご)。彼は唯の息子だ。
並木家の運転手、森 和也(もり かずや)。彼は唯と不倫関係にあるらしい。
同じく並木家の運転手、野瀬 伸平(のせ しんぺい)。彼は運転手と言うより、花奈の自由を奪うお目付け役と言った雰囲気だ。
猫さんは考える。事件を起こしているのは誰なのか、その動機は何かと。
遂に訪れた雅の遺言書開封の日、一連の事件の犯人、大吾の化けの皮が剥がれる。大吾は従兄弟の花奈へ、歪んだ愛情を抱いていた。犯行の動機には、並木家の女系一族と言う文化、花奈と恭介の出世の秘密があったのだ。
※この作品は以前「小説家になろう」で公開していました。