あらすじ
妖精灯が夜の街を照らすころ。
人々が眠りにつくその時間から、魔術師たちの仕事は始まる。
彼らが相手にするのは、人知れず街に現れる悪魔。
人々は魔術師の存在を知っている。
けれど、その戦いのすべてを知る者は少ない。
そんな世界で、名も持たぬ六歳の少年は、一人の魔術師・グラウスに引き取られる。
無愛想で口数は少ない。
優しい言葉を掛けることもない。
それでも少年は、朝食を囲み、街を歩き、依頼に同行し、魔術師たちの日常に触れながら、この世界の歩き方を少しずつ学んでいく。
グラウスが教えるのは、魔術ではない。
生きること。
考えること。
そして、自分で選ぶこと。
やがて少年は、人と悪魔、そして契約が紡ぐ運命の中で、自らの意思で未来を選び取っていく。
これは、一人の魔術師から始まる、小さな教えが、やがて世界を動かす盟約へと繋がる物語。
――『黎明の盟約』。