あらすじ
水守澄花は、山の中の古い家で育った。
湧水の味、祖母の台所、みかん畑、側溝から見上げた空。
静かなもの、あたたかいもの、そばにいてくれるものを、幼い澄花は少しずつ覚えていく。
やがて澄花は、白楓女子学院でバレーボールと出会う。
仲間と出会い、痛みを知り、勝つことだけではない場所で、自分の立ち方を見つけていく。
栞奈、莉央、すず、望愛。
家族、友人、先輩、後輩。
たくさんの人と季節を重ねながら、澄花の世界は少しずつ広がっていく。
高校を卒業し、大学へ進み、喫茶店「檸檬」で働き、文王出版の編集者となった澄花は、やがてひとつの文章に出会う。
山浦遥。
そして、リド。
それは、知らないはずなのに懐かしく、遠いはずなのにどこか近い言葉だった。
これは、ひとりの少女が、自分の足で人生を歩き、誰かを見る目を育て、やがて言葉の向こうにいる人へ辿り着くまでの物語。
水守澄花の、長い長い季節の記録。