あらすじ
十九歳の秋、瀬川湊は病院の屋上で朝霧澪と出会った。
三期のリンパ腫を患う澪は、行ったことのない場所の絵葉書を病室の壁に貼り、死後の世界の建築ばかりを描いていた。けれど彼女には、どうしても叶えたい願いがひとつあった。
「本物の海を見たい」
十一月七日、ふたりは病院を抜け出し、灰色の海へ向かう。
それは、二十歳になる前の彼らが見た、最初で最後の海だった。
闘病、死別、記憶、そして残された者がどう生きていくかを描いた短編小説です。
※本作には闘病、死別、自死に関する会話が含まれます。
※本作は自傷行為・違法行為を推奨するものではありません。