あらすじ
姉が亡くなって三年。
遺品整理のため、千尋は海辺の故郷へ帰る。
そこで見つけたのは、一つの群青色の缶。
中には、見知らぬ男・三浦諒へ宛てられた手紙と、数枚の写真、そして小さな白い石が入っていた。
「あなたが最初に連れていってくれた夜の桟橋。あの水が、私にとって一番きれいな青でした。」
教師として穏やかに暮らしていたはずの姉が、家族にも語らなかった時間。
深夜の海、誰にも渡されなかった恋文、そして最後まで知られることのなかった想い。
姉は本当は、どんな人生を生きていたのか。
潮の匂いに導かれながら、妹は姉の足跡を静かにたどっていく。
喪失は消えない。
それでも、人は誰かの記憶に触れることで、もう一度歩き始めることができる。
海と青をめぐる、静かで切ない再生の物語。