あらすじ
北海道にある高校、北海道立 皇帝(こうてい)高等学校 。
その名に反して、特別強いといった強豪ではなく、スポーツで名を馳せているわけでもない、ごく普通の学校のひとつにすぎなかった。
そんな場所に、一人の少年が入学してくる。
神月橙慈。中学時代、全国レベルの舞台を夢見て、名門・海王高校への進学を志したが、受験でその門は閉ざされた。
届かなかった憧れ。手のひらからこぼれ落ちた理想。けれど橙慈は、ただ悔しさに沈むだけの少年ではなかった。
全国優勝という目標に変わりはない。
そのために選んだ次の道が、皇帝高校のバレーボール部だった。まだ何も整っていない場所。全国の「ぜ」の字すら遠い場所。
けれど、だからこそ、自分の手で変えられる可能性がそこにはあった。
練習を重ねる日々。仲間たちとぶつかりながら、笑い合いながら、少しずつ積み上がっていくチームの形。
理想だけでは届かない壁と、それでもなお続けたくなる青春のまぶしさ。
彼らはまだ無名だ。けれど、だからこそ、強い。
目指すは全国。そして、もう一度向き合うための場所――海王高校。
追いつけなかった背中を、今度は追い抜くために。
橙慈の青春は、静かに、そして力強く、走り始める。