あらすじ
大学進学を機に地元を離れ、一人暮らしを始めることになった神代葵。
「せっかくなら、自分のことは自分でできるようになりたい」
そんな思いで選んだ新居は、駅近・広めの部屋・格安家賃という好条件の古びたアパート――幽月荘だった。
不動産屋から告げられたのは、たった一言。
「この部屋には、少し事情があります」
しかし、生活費を抑えたい葵は深く考えず契約する。
そして引っ越し初日の夜。
彼の部屋には、この世のものではない少女がいた。
「……驚かれますよね」
彼女の名前は、水瀬凪。
数十年前、この部屋で亡くなり、幽月荘に留まり続けている幽霊だった。
当然驚き、戸惑う葵。
それでも、怯えながらも自分より寂しそうな凪の姿を見て、彼は彼女の話を聞くことを選ぶ。
こうして始まったのは、普通ではない一人暮らし。
幽月荘には、凪以外にも人間社会に紛れて暮らす妖たちが集まっていた。
明るく勝気な妖狐。幸運を運ぶ無邪気な座敷童。感情が揺れると部屋を凍らせる雪女。独特な言葉遣いのキョンシー。
怖いはずの怪異たちは、なぜか料理が苦手だったり、ゲームに夢中になったり、相談を持ちかけたり。
騒がしくて、少し不思議で、どこか温かい毎日。
これは、居場所を失った怪異たちと、初めての一人暮らしを始めた青年が織り成す――
人間と怪異の共同生活ラブコメディ。
幽月荘の夜は、今日も少しだけ騒がしい。