あらすじ
「お前との婚約を破棄する。魔力なしの出来損ないに、王太子妃は務まらん」
卒業パーティーの華やかな会場で、王太子アルフォンスから公開婚約破棄を突きつけられた公爵令嬢セリア。だが彼女は泣き縋るどころか、淡々と一言。
「婚約破棄、確かに承りました」
前世はブラック企業で命を削った元・法務部社員。この世界の『誓約魔法』が前世の契約法に酷似していると見抜いた彼女の魔力は、戦闘でも治癒でもなく――『契約』に特化していた。
そして懐から取り出したのは、五歳の頃に迷子の子竜と交わした、たった一枚の古びた「二人だけの秘密の誓約書」。
『困った時は、必ず助けにいく。──ヴォルガ』
子どもの落書きにしか見えないその一筆は、二十年越しに、王家の権威すら凌駕する絶対の効力を発揮する――。
理不尽に耐え続けた令嬢が、たった一枚の紙きれで運命を覆し、寂しがり屋の竜帝のもとへ嫁ぐ。痛快な「ざまぁ」と、ちょっと甘い誓約の物語。
※短編・完結済み